私は2026年に入ってから、猟銃を使った狩猟のために「銃の所持許可」と「狩猟免許」を同時に取得するため各種手続きや講習にいそしんでいるのですが…。

今回は「銃の所持許可」において自宅で銃を保管する際に必須の内容を書いてみたいと思います。

銃の所持許可を取得するためには、家に銃を安全に保管するための設備が必須。

しかしそうは言っても「どんなロッカーでもいいの?」「どこに置けばいいの?」という疑問を持つ方は多いと思います。

今回は、そんなガンロッカーの設置基準を自分の経験も含め詳しくまとめていきます。

ガンロッカーの設置はなぜ必要なのか

銃の自宅保管については、銃砲刀剣類所持等取締法第10条の4に定めがあります。

許可を受けた者は、内閣府令で定める基準に適合した設備と方法で銃を保管しなければならないと定められており、この「基準に適合した設備」がガンロッカーです。

法律の条文では、銃の保管について以下の規定が明記されています。

  1. 堅固な金属製ロッカーその他これと同等程度に堅固な構造を有するもの
  2. 確実に施錠できる錠を備えていること
  3. 容易に持ち運びができないこと
つまり、簡単に言ってしまえば…「頑丈で、ちゃんと鍵がかかって、簡単に持ち運べないこと」が最低限の条件です。

ガンロッカー本体の規定|7つの基準を確認しよう

警察庁の指導に基づくガンロッカーの製造基準は以下の7点です。

ガンロッカーははっきり言って、安い買い物ではありません…(最低でも数万円はかかります)。

購入前にこれを満たしているかしっかり確認しましょう!

【ガンロッカー本体の7つの規定】

①扉・側板・天板など、すべてのスチール板の厚さが1.0mm以上
②施錠方法はかんぬき構造などで扉の上下を箱体に固定し、外せない構造
③蝶番が壊されたり外されたりしても扉が外れない構造
④ロッカー内部に鎖などで銃を固定できる装置があること(鍵は鍵違い120種類以上)
⑤扉の錠は鎌錠など外部からの力で容易に開けられないもの
⑥錠にはかけ忘れ防止装置があること(鍵をかけないと鍵が抜けない構造など)
⑦錠は鍵違い120種類以上のもの

ポイントをひとつずつ補足します。

すべてのスチール板の厚さが「1.0mm以上」であること

扉・側板・天板・底板など、ガンロッカーを構成するすべての鉄板の厚みが1.0mm以上でなければなりません。

「1mmって薄くない?」と思うかもしれませんが、意外とそうでもないんです。

ホームセンターで売っている一般的な収納ロッカーは、コストを下げるために板が薄く作られているものが多く、0.6〜0.8mm程度しかないものも珍しくありません。

見た目が丈夫そうでも、実際の板厚が足りないだけで審査に落ちます!!
必ず商品のスペック表で確認を。

扉がかんぬき構造で固定される施錠方式であること

「かんぬき構造」とは、扉の上下に棒状の金具(かんぬき)が飛び出して、箱本体の穴にはまり込むことで扉を固定する仕組みのことです。

鍵をかけると扉の上下が本体にがっちりと固定されるので、単に「引っかかっている」だけのラッチ錠とは固定力がまったく違います。

市販ロッカーに多い、ひねってパチンと留まるだけのタイプはこの基準を満たしません。

蝶番が壊されても扉が外れない構造であること

蝶番(ちょうつがい)とは、扉を本体につなぎとめているヒンジ金具のことです。

▲蝶番、皆さんも見たことがありますよね?

蝶番は扉の取り付け軸になるため、ここを壊せば扉が外れてしまうのでは?という問題点をカバーするための規定なわけですね。

基準では、蝶番を壊したり取り外したりしようとしても扉が外れない構造が求められています。

かんぬき構造(②)で上下が固定されていれば、蝶番側を破壊されても扉は外れない、という設計になっているわけです。

ロッカー内部に鎖と南京錠で銃を固定する装置があること

ガンロッカーの中に銃をただ入れるだけではなく、内部の鎖で銃をロッカーに固定することが求められています。

これは、万が一ロッカーごと持ち去られたとしても、中の銃が取り出しにくくするための安全策です。

ガンロッカー専用品には内部の鎖と南京錠がセットで付属していることが多いので、購入時に確認しておきましょう。

扉の錠は「鎌錠」であること

「鎌錠(かまじょう)」とは、鍵を回すと鎌のような形の金具が飛び出して引っかかり、外から力を加えても開かない構造の錠のことです。

バールなどで扉をこじ開けようとしても、鎌の形状が引っかかって開かないため、防犯性が高い作りになっているのが特徴。

これに対してシリンダー錠(ドアノブについているような丸いタイプ)は、外からドアをこじれば比較的開けやすいため、ガンロッカーには不適とされています。

錠にはかけ忘れ防止装置がついていること

ガンロッカーには、鍵のかけ忘れを防ぐための仕組みが必須。

具体的には「鍵をかけないと鍵が抜けない構造」が代表的です。

つまり、鍵を施錠状態にしないと鍵穴から鍵が引き抜けないという仕組みで、「鍵をかけ忘れたままロッカーを離れる」という事故を構造的に防ぎます。

銃の保管において施錠のかけ忘れは重大な問題になるため、この仕組みは必須とされています。

錠の鍵違いが120種類以上あること

「鍵違い」とは、同じ型の錠でも鍵の形状(山や谷の形)が何種類存在するかを示す数字です。

鍵違いが多いほど「別の鍵で開けられる可能性が低い」ということになります。

ガンロッカーの扉の錠は、この鍵違いが120種類以上のものでなければなりません。

なお、この規定は④で触れた内部の南京錠にも同様に適用されます。
ドアの錠と内部の南京錠、両方が120種類以上の鍵違いを持つ必要があります。

設置場所の基準:「人目につかない場所」に「固定」する

ガンロッカー本体の規定を満たしたとしても、設置場所と固定方法にも基準があります。

ここからは、設置場所と固定方法の基準も確認していきましょう!

置き場所の条件

ガンロッカーの設置場所として求められるのは「人目につかない、人があまり通らない場所」です。

【ガンロッカーの設置場所として適切な例】

・押し入れの中
・クローゼットの中
・室内の物置スペースや奥の部屋の隅
・パントリー

リビングや玄関は来客の目に触れやすいため絶対にNGです。

ちなみに、ガンロッカーの鍵の場所は家族にも教えてはならないという規定もあります。

どうしても目立つ場所にしか置けない場合は、毛布やシーツをかぶせてロッカーとわからないようにしたり、手前にハンガーラックやカラーボックスを置いてロッカーへたどり着きにくくする工夫をしなければなりません。

固定方法の条件

ガンロッカーは壁や床にボルト固定するのが基本です。

ガンロッカー本体の背面や側面にはあらかじめビス穴が空いているものが多く、ドリルが不要な場合もあります。

ただ、壁や床にボルト固定=穴を開けなければならないということで、賃貸に住んでいる方からしたら「そんなの無理です」となってしまいますよね(笑)

そんな場合は、「2×4(ツーバイフォー)材+アジャスター」を使った突っ張り柱にガンロッカーをネジ止めする方法が認められるケースがあるので安心してください。

床や壁に傷をつけずに設置できますし、ホームセンターで必要な材料が揃います。

なお、木材の長さは「天井から床までの高さ−9.5cm」で計算します。

どうしても固定が難しい場合、ガンロッカー内部に17kg以上の重し(ダンベルなど)を入れることで認められるケースもあります。

ただし、これで審査が通るかどうかは所轄警察署の判断によります。

ガンロッカーの費用と選び方

ガンロッカーの価格帯は40,000〜50,000円前後のものが主流です。

安くはありませんが、ここを節約しようとすると後から後悔する可能性があるので要注意。

導入実績が多く、審査が通りやすいとされているのは「KSK」ブランドのガンロッカーです。切削工具

出典:KSK公式サイト

規定を前提として作られており、背面にはあらかじめ固定用のビス穴が空いています(44,000円〜)。

中古品や代用品を避けた方が良い理由は以下の2点です。

・中古品:法令改正前に作られたものは現行の基準を満たさない可能性がある。鍵の紛失や歪みで審査落ちするリスクも。

・ホームセンターのロッカーを代用:スチール板の厚さ不足・錠前の種類・蝶番の構造など、思わぬ点で規定外になりやすい

審査が通らなければ買い直しになるため、結果的に新品の専用品を最初から選ぶ方が安上がりです。

地域によってはどこがNGだったかを教えてもらえないケースもあるため、余計なリスクは避けるに越したことはありません。

ちなみに私はネット通販で「ガンロッカーとしても使える」と記載のあった、ノーブランドの3万円ほどのロッカーを購入し警察の審査を受けたのですが…。

結果的に審査は通ったものの、無名メーカーのものだったせいか警察官が「どこのメーカーか」「購入経路は」などかなり細かいところを聞いてきたため、審査に通るかどうか不安で1か月ほどもやもやした日々を過ごしました…。

なお、ガンロッカーで銃本体を保管するとは別に、弾を保管する「装弾ロッカー」の設置も必要です(空気銃のみの場合は不要)。

装弾ロッカーの詳細については別の記事でまとめています。

まとめ:ガンロッカーは「専用品を」「人目につかない場所に固定」が基本

それでは最後に、ガンロッカーの設置に関するポイントを整理します。

【ガンロッカー設置基準まとめ】

①ロッカー本体は7つの製造基準を満たした専用品を新品で購入する
②設置場所は人目につかない場所(クローゼット・押し入れ・部屋の奥など)
③壁・床へのボルト固定、または2×4材の突っ張り柱で固定する
④装弾ロッカーはガンロッカーとは別の部屋に設置する

「管轄の警察署によって細かい指導内容が異なる」という点は何度も強調しておきたいと思います。

ロッカーの設置場所や購入品について迷ったら、まず担当の警察官に「これでどうでしょうか」と確認を取ることが、スムーズに審査を通過するためのおすすめの方法です!

今回の内容が、銃の所持許可取得に向けてガンロッカーを準備している方の参考に少しでもなれば幸いです。

ライター:遠藤葉月