猟銃を持つための道のりはかなり複雑で長いものです。

私は狩猟をやってみたいという目標のもと、2026年の半分以上(そして相当のお金)を、この目的を達成するための「銃の所持許可」、そして「狩猟免許」の獲得に費やしました(笑)

猟銃等講習会を受けて、学科試験に合格して、射撃教習を受けて、修了証明書をもらって、そこでようやく「銃を買う」というスタートラインに立てます。

今回は、私が実際にライフル(ハーフライフル)を購入した体験を、購入できるようになるまでの手続きの流れ、どんな銃を選んだのか、なぜその銃を選んだのか、初めて実銃を手にしたときどんな感覚だったのかなども含めてお伝えしていきます。

まずは確認!【めちゃくちゃ長い】銃を実際に手に入れるまでの道のり

▲筆者の実際の銃の所持許可証

日本国内で銃を持つというのは決して簡単ではなく、非常に厳正な手続きを踏まなければなりません。

狩猟目的であっても当然それは変わらず、自分が銃を購入し、それが実際に手元に届くまでの道のりは非常~~に長いです。

なんなら途中審査に落ちようものなら、所持できない可能性も十分にありますからね…。

これまでいくつか記事も書いてきたのですが、全体の流れを簡単に整理してみますね。

【銃を所持するまでの流れ】

①初心者講習会の受講・筆記試験合格
②講習修了証明書の取得(有効期限:3年)
③教習資格認定書の申請(警察署へ提出・身辺調査あり)
④猟銃用火薬類等譲受許可証の申請(教習射撃用の装弾購入に必要)
⑤装弾の購入
⑥射撃場で教習射撃を受講・合格
⑦教習修了証明書の取得(有効期限:1年)
⑧購入する銃を決める(銃砲店から譲渡承諾書を受け取る)
⑨警察署へ銃砲所持許可申請を提出(手数料:10,500円)
⑩銃砲所持許可証の交付(申請から早くて1〜2ヶ月)
⑪銃砲店で銃を引き取る(許可証交付日から3ヶ月以内)
⑫警察署で銃の確認手続き(引き取りから14日以内)

初心者講習会の合格はあくまでスタートで、そこから教習資格認定書の申請・教習射撃・所持許可申請と、やらなければならないことはどんどん積み重なっていきます…。

特に時間がかかるのが、⑨の所持許可申請から⑩の許可証交付まで。

申請してから許可証が交付されるまで、早くて1〜2ヶ月ほど待つことになります。

申請の際は警察官が実際に銃の保管場所やガンロッカー、装弾ロッカーを確認し、そのうえで許可を出せるかどうかを厳正に審査するので、どうしても時間がかかってしまうんですよね。

購入する銃は決まっているのに、許可証が来るまで持ち帰れないそのもどかしさたるや(笑)。

また、教習修了証明書には1年という有効期限があります。

証明書を取得したら、その1年以内に所持許可申請まで進まなければならないので、スケジュール管理もとても大事です。

手続きの重さがあるからこそ、「銃を持つ」という行為の重みを実感できるとも思っていますが…。

散弾銃・特定ライフル銃・ライフル銃|種類の違いと申請への影響

猟銃初心者として最初に悩んだのが、「そもそもどの種類の銃を選べばいいのか」という問題でした。

銃の種類によって申請内容が変わる=先に決めておく必要がある

所持許可の申請は、所持したい銃のシリアル番号を記載して行います。

つまり、どの銃を買うかを決めてからでないと、許可申請そのものができない仕組みになっています。

さらに重要なのが、「どの種類の銃か」によって申請の内容・条件・必要書類が変わってくる点です。

たとえば散弾銃とライフル銃では所持に必要な猟歴が全然違いますし、両方を持つ場合は射撃教習もそれぞれ別に受ける必要があります。

銃の種類選びは、見た目や使い勝手の好みよりも前に、「自分が法律上どの条件を満たせるか」を確認する必要があるのです。

3種類の銃、何がどう違うのか

日本で猟銃として所持できる主な種類は、散弾銃・ハーフライフル銃・ライフル銃の3つです。

銃種 銃身の構造 主な用途 所持条件の目安
散弾銃 ライフリング(旋条)なし 鳥類・小動物・中型獣 初心者から取得可能
特定ライフル銃(ハーフライフル銃) 銃身の一部に旋条あり 中距離での大型獣猟 ※2025年法改正によりライフルと同等の条件に
ライフル銃 銃身全体に旋条あり 大型獣・遠距離射撃 原則10年以上の猟歴+実績が必要

3種類のうち、ライフル銃の所持には原則として10年以上の猟銃所持歴と射撃実績が必要です。

初めて猟銃を持つ人はライフルを選べない、というのが大前提になります。

ハーフライフル銃については、かつては散弾銃扱いで初心者でも取得可能でしたが、2025年3月施行の銃刀法改正によりライフル銃と同等の扱いに変更されました。

銃身の5分の1以上に旋条があるものがライフル分類となり、所持要件が大幅に厳しくなっています。

なお、北海道については、エゾシカ・ヒグマ対策の観点から市町村長の推薦書を経ることで一定の特例措置が設けられています。

私は北海道在住なので、この特例措置の対象になります。

私が特定ライフル銃(ハーフライフル)を選んだ理由

私が住んでいるのは北海道で、狩猟の目的は「ジビエ料理を作りたい」というものがメインで、対象は主にシカです。

シカは散弾銃でも獲れなくはありませんが、ある程度の射程距離と命中精度、また仕留めた際に有効活用できる部位の多さを考えると、散弾銃は選ぶべきではないとされています。

そのためハーフライフルの方が自分の目的に合っていると判断しました。

将来的にはヒグマ猟も視野に入れているので(今はまだ目標段階ですが)、そういった方向性も含めてハーフライフル一択でした。

散弾銃を使ったカモなどの猟にも興味はあるのですが、これは今後の目標の一つという感じで考えています。

銃砲店で猟銃を購入した日の話

私が猟銃を購入したのは、教習修了証明書を手にして数日後のこと。

射撃教習でもお世話になった銃砲店を訪れ、いよいよ自分の銃を選ぶことになりました。

銃砲店、というのは独特の空間です。

外から見ると普通のお店のようですが、ガラスケースの中に並んだ銃、壁に陳列された銃身、弾のパッケージなどなど…日常では絶対に目に入らないものが、整然と並んでいる異空間です。

ではそんな空間でどんな人が働いているのかというと…私が懇意にしている銃砲店の店員さんは、独特のブラックジョーク系というか、銃を扱う世界の人間ならではのユーモアがある方が店主です。

私が一通り説明を受けているときに「ヤフオクで私物売ってコレ買おうかな」みたいなことをさらっと言うような人です(笑)。

私がハーフライフルを持つということで、この店主から提案されたのが2丁でした。

ブローニング Aボルト サベージ
見た目 ウッド調ストック・ブローニングロゴ入り シンプルなブラック
重さ ずっしり重い Aボルトと比較すると軽い
価格 約40万円 Aボルトと比較すると数万円安い

【ブローニング Aボルト】

出典:ミロク製作所

【サベージ(ブラックスチール)】

新銃 ボルト散弾銃 SAVAGE サベージ 220 20G ブラックスチール LH ハーフライフル アキュストックモデル

出典:ガンショップ栄興

スペックだけ見れば、サベージの方が機能的には合理的な選択肢と言えます。

軽くて、価格も抑えられる。

でも、私はAボルトを見た瞬間に一目ぼれしてしまったのです。

「安い方で我慢する買い物」はしたくなかった

ウッド調のストックの温かみ、用心金裏のブローニングのロゴ…それを見た瞬間、「これがほしい」という気持ちが先に来てしまいました。

【筆者が一目ぼれした用心金裏のロゴ】

新銃 散弾銃 BROWNING ブローニング A-Bolt 12番 ハーフライフル Hunter

出典:ガンショップ栄興

サベージも機能的には当然問題ありませんし、優秀な銃です。

でも、本当にそのものを気に入ったというよりも「安い方で我慢しよう」という気持ちで選んだ道具に、愛着は湧くだろうか、と思ったのです。

これは銃を買うという特殊な状況だからこそ、余計に強く感じた部分かもしれません。

狩猟で獲る動物の命をいただくわけですから、道具への愛着も、ある意味での敬意の一部だと思っていて。

「まあこれでいいか」という妥協から選んだ銃を持って山に入る、というのが、なんとなく自分の中でしっくりこなかったんですよね。

価格差は数万円…高い買い物であることは間違いありません。

でも、「この銃と一緒に猟に行く」というイメージがAボルトの方が圧倒的に鮮明に湧いてきたので、迷いなく決めました。

銃は一度買ったら、長く付き合っていく道具です。
「本当に欲しいもの」を選ばないと、毎回使うたびに「あの時…」となりそうで(笑)。
我慢の買い物は、長い目で見ると損だと思っています。

初めて銃を手にした時の感覚は一生忘れない

改めてAボルトを手に取ったときは、手がプルプルしました。

ずっしりとした重み、ウッドストックの質感。

「これが、自分のものになるのか」というちょっとした興奮。(まだ許可が降りていないので早いですが(笑))

弾は当然入っていませんが、それでも、銃を構えた瞬間に心臓の鼓動が早くなったことは一生忘れないと思います。

サベージを持ったときと、Aボルトを持ったときの感覚は明らかに違いました。

Aボルトの方がずっしりと重く感じ、その重さがなんというか頼もしさとして伝わってくるような気がしました。

ウッド調のストックは冷たい金属とは違って、手のひらに温かみを感じた気もしました。

同時に、これを持って実際に山に入る日のことを考えたら、緊張と楽しみが混ざったなんとも言えない気持ちになり…銃を手にすることで、「狩猟をする人間」としての自覚がはっきり生まれたのも、この日だったと思います。

まとめ:銃を購入するまでの道のりは長い!だからこその達成感もひとしお

銃を実際に手にするまで…手続きの多さと長さに、何度もくじけそうになりながらここまで来ました。

でも、Aボルトを手に取ったあの瞬間の感覚は、それまでの全部の面倒くさを吹き飛ばしてくれました。

銃本体の料金に加え約8万円のスコープを購入したので、総額は…まあ考えたくもないのですが、後悔する買い物ではなかったのでよしとしましょう(笑)

これから猟銃の所持を考えている方は、最初から「どんな猟をしたいのか」「どんな動物を獲りたいのか」をしっかりとイメージしてみると良いと思います。

機能だけでなく、「この銃と一緒に山に入りたいか」という感覚も、選ぶ上で大事にしていい要素だと私は思っています。

今回の内容が、これから猟銃の購入を考えている方の参考に少しでもなれば幸いです。

ライター:遠藤葉月