北陸の旅といえば、何を思い浮かべますか?金沢の兼六園、富山の美しい立山連峰、福井の恐竜博物館……。もちろんそれらも素晴らしいですが、次の旅行では、ぜひ視線を少しだけ下げてみてください。そこには、その土地の歴史や誇りがギュッと凝縮された「路上芸術」が広がっています。

そう、マンホールの蓋(ふた)です。

今、このマンホールの蓋をデザインした「マンホールカード」集めを楽しむ人が増えています。北陸新幹線の延伸により、石川・富山・福井の三県がグッと身近になった今こそ、この「秘密の美術館」を巡る旅に出かける最高のタイミングなのです。

そもそも「マンホールカード」ってどんなもの?

そもそも「マンホールカード」ってどんなもの?引用:https://www.gk-p.jp/wp-content/uploads/2025/11/MC27tool1.pdf

「マンホールカードって、ただのカードでしょ?」と思うなかれ。これは、その街の「名刺」であり、無料で手に入る「最高の旅の記録」なんです。

  • 世界に誇れる「日本生まれの宝物」 下水道への関心を深めてもらうために2016年にスタートしたこのプロジェクト。今では全国で1,000種類以上が発行されています。マンホールは世界に誇れる文化物とされており、汚いなどのネガティブな印象だけでないことを伝えるために生まれました。

  • 「現地に行かないともらえない」ワクワク感 このカードの最大の魅力は、郵送不可、配布場所に行かなければ手に入らないという「レア感」です。観光案内所や道の駅、ときには下水道局まで、配布場所を訪ねるプロセスそのものが、一つの冒険になります。

  • 小さなカードに詰まった大きな物語 表面には鮮やかなマンホール蓋の写真。そして裏面には、なぜそのデザインになったのかという「由来」が詳しく解説されています。これを読めば、その街が一番大切にしているものが何なのかがひと目でわかります

何種類ある?北陸3県のマンホールカードを紹介

北陸3県(石川・富山・福井)には、現在合わせて40種類以上のマンホールカードが存在します(2026年現在)。それぞれが地域独自のカラーを打ち出しており、三県を巡るだけでバリエーション豊かなコレクションが出来上がります。

ここでは、各県ごとの枚数や特徴をのぞいてみましょう。

【石川県】10種類:伝統文化からゆるキャラまで

北陸3県のマンホールカードを紹介【石川県】10種類:伝統文化からゆるキャラまで引用:https://www2.city.kanazawa.ishikawa.jp/about_us/library/manhole_card/

石川県では、能登地方を中心に10種類のカードが配布されています。

金沢市では、2024年に新しく加わった「加賀水引」デザインが人気を集めているほか、かほく市や中能登町はゆるキャラデザインで子ども人気があります。

輪島市は御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)、能登町のあばれ祭りなど、その土地の文化を表したデザインが多いのが特徴です。

また、能登地方では、震災を乗り越えて配布を継続・再開している場所もあり、カードを受け取ることが地域へのエールにも繋がっています

【富山県】17種類:立山連峰とキャラの宝庫

北陸3県のマンホールカードを紹介【富山県】17種類:立山連峰とキャラの宝庫

富山県は17種類のカードが発行されています。

富山市は特に種類が豊富で、市の花「アザミ」を描いたスタンダードなものから、人気アニメ『ゆるゆり』とのコラボカード、さらには路面電車をテーマにしたものまで、多彩なラインナップが魅力です。

高岡市の「雨晴(あまはらし)海岸」や滑川市の「ホタルイカ」など、富山湾の絶景を切り取ったデザインは、まるで絵葉書のような美しさ。

県内を移動するたびに、新しい景色(カード)に出会える楽しさがあります。

【福井県】10種類:インパクト抜群の恐竜と歴史

北陸3県のマンホールカードを紹介【福井県】10種類:インパクト抜群の恐竜と歴史引用:https://www.city.katsuyama.fukui.jp/soshiki/17/324.html

福井県は石川県と並んで、10種類の個性が強いカードたちが待っています。

なんといっても目玉は勝山市の「恐竜」シリーズ。フクイラプトルやホワイトザウルスのカードは、その迫力や珍しさから人気があります。

一方で、福井市の「不死鳥」や、戦国時代の息吹を感じる一乗谷朝倉氏遺跡のデザインなど、歴史の重みを感じさせる硬派なカードも充実。

枚数は少し控えめですが、1枚1枚のインパクトの強さは北陸随一といえるでしょう。

もっと楽しむ!マンホールカード旅を120%満喫するコツ

マンホールカード旅を120%満喫するコツ

カードを手に入れたら、そこで終わりではありません。旅をさらに深く、楽しくするためのヒントを3つのポイントでご紹介します。

座標(緯度・経度)を頼りに「本物」を探し出す

カードの表面には、そのマンホールが実際に設置されている場所の「座標(緯度・経度)」が記されています。この数字をスマホの地図アプリに入力して、宝探し気分で街を歩いてみましょう

カードの写真で見るのと、本物の鉄の質感や街の風景の中で見るのとでは、受ける印象が全く違います。見つけた瞬間の「あった!」という喜びは、大人でも思わず声を上げてしまうほどです。

カードと実物を並べて「記念の一枚」を撮る

コレクターの間で定番の楽しみ方が、手に入れたカードと足元のマンホール蓋を一緒に写すことです。ピントを合わせるのが少し難しいですが、その場所を訪れた証として最高の旅の思い出になります。

お出かけ前に「配布状況」をスマートにチェック

マンホールカードは人気があるため、配布場所によっては在庫が一時的に切れていたり、配布時間が限られていたりすることがあります。

「せっかく行ったのにお休みだった……」という悲劇を避けるために、公式サイトで最新情報を確認してから出発しましょう。配布場所が観光案内所や道の駅であれば、併せて周辺のグルメ情報なども調べておくと、旅の充実度がぐんとアップします。

次の休みは、お気に入りの一枚を探しに北陸へ

観光名所を点から点へ移動するだけの旅もいいけれど、足元のマンホールに注目してみるとその街の文化が見えてきます。

1枚のカードをきっかけに訪れた小さな公園や、ひっそりとした路地裏。そこには、自分だけしか知らない北陸の表情が待っています。

北陸の風を感じ、歴史を歩き、小さな宝物を拾い集める旅。 次の休み、あなたもスニーカーを履いて、世界に一つだけの「路上の芸術」を探しに出かけてみませんか?