ちびキャラ(ミニキャラ・SDキャラ)は、SNSアイコンやサムネ、資料の挿絵など“用途が明確”なぶん、等身・顔・線・色が少しでもブレると違和感が出やすいジャンルです。
だからこそ、コツは操作よりも「プロンプト設計」にあります。
本記事では、Nano Banana/Nano Banana Proで狙ったテイストを安定させるために、崩れないプロンプトの型(テンプレ)と、失敗したときの直し方テンプレを中心にまとめます。
ちびキャラ生成「基本プロンプト」
必須指定の順番(この並びが安定します)
プロンプトは、次の順で書くと解釈がブレにくいです。
用途 → 頭身 → 顔 → 体型 → 服 → 配色 → 線と塗り → 背景 → 仕上げ → ネガティブ
基本プロンプト(角括弧だけ差し替えでOK)
そのまま変えて使える形にしています。
【用途】[SNSアイコン/立ち絵/サムネ]
【キャラ】[年齢感]の[人物]。髪型:[髪型]、髪色:[髪色]、目:[目の色]。
【ちび化】3頭身。頭が大きい。手足は短め。関節と服のシワは簡略。
【顔】丸い輪郭。目は大きめでやや下寄り。鼻と口は小さく控えめ。表情:[笑顔/無表情/照れ]。
【体型】全体は小さめで丸み。首は短め。
【服】上:[上] 下:[下] 靴:[靴]。装飾は少なめで分かりやすい形。
【配色】メイン:[色] サブ:[色] アクセント:[色]。この3色を中心に統一。
【線と塗り】線はやや太めでクリーン。塗りは[セル塗り]。影は薄めで少なめ。
【背景】[単色/簡略小物2点まで/透過風]。背景は主張しない。
【仕上げ】かわいい、読みやすいシルエット、破綻のない手足。
【NG】extra fingers, extra limbs, missing fingers, bad anatomy, deformed hands, text, logo, watermark, realistic skin texture
“固定する3点”を決めるとシリーズ化しやすいです
固定は増やしすぎないのがコツです。
おすすめはこの3点です。
・髪型のシルエット(例:ぱっつん×短いボブ)
・モチーフ1つ(例:赤いマフラー、星のピン)
・背景の簡略度(例:単色+小さな星2つまで)
目的別プロンプト例|アイコン・立ち絵・サムネを“外さない”書き方
例1:SNSアイコン(1:1、バストアップ固定)
用途: SNSアイコン。1:1。バストアップ。
3頭身のちびキャラ。丸い輪郭。目は大きめでやや下寄り。口は小さく。
髪型: ぱっつんのボブ、髪色: ダークブラウン、目: こげ茶。
服: 白シャツ+ネイビーのカーディガン。小物: 星のヘアピン1つ。
線はやや太め、セル塗り、影は薄い。背景は淡い水色の単色。
NG: extra fingers, text, logo, watermark
アイコンは顔が全てなので、「バストアップ固定」を必ず入れると安定します。
例2:立ち絵(3:4、全身、手を簡略にする)
用途: 立ち絵。3:4。全身が入る。
3頭身。頭が大きい。手足短め。手はミトン風で指を描かない。
服: パーカー+ショートパンツ+スニーカー。装飾は少なめ。
線はクリーンでやや太め、セル塗り。背景は単色、影は薄く。
NG: extra fingers, deformed hands
全身は手が崩れやすいので、最初から「ミトン風」「指を描かない」を入れるのが安全です。
例3:サムネ(16:9、余白を作る)
用途: サムネ。16:9。
ちびキャラを画面左に配置。右側に余白を広めに残す。
3頭身、丸い輪郭、大きい目、線はやや太め、セル塗り。
背景は淡色の単色。装飾は小さな星2つまで。
NG: text, logo, watermark
「右に余白」を先に言うと、実務で使いやすい構図になりやすいです。
崩れたときの改善テンプレ|「変えない→直す1点」で戻します
直し方テンプレ(再生成・部分修正の指示)
「頭身3頭身、線はやや太め、配色(メイン/サブ/アクセント)はそのまま。
修正点は1つだけ:[ここに直したい点]。それ以外は変更しない。」
よくある失敗1:等身が安定しない/顔が似ない
追加する一文:
「頭=身長の40〜45%」
「目の位置はやや下寄り」
「輪郭は丸く固定」
顔は「輪郭+目の位置+口の小ささ」をセットにすると戻りやすいです。
よくある失敗2:手足・小物が破綻する
指示の方向性は2択です。
簡略化する:「手はミトン風」「小物は削除」
減らす:「小物は1つまで」「装飾は少なめ」
手元を守るのが最優先なら、いったん“描かない”に寄せるほうが安定します。
よくある失敗3:色・線・テイストがブレる
統一ルールは短く宣言します。
「線=やや太め、クリーン。塗り=セル塗り。影=薄く少なめ」
「配色はメイン/サブ/アクセントの3色のみ」
この2行が入るだけで、量産時のブレがかなり減ります。
注意点|商用利用・既存キャラに寄せすぎないために
商用利用を想定する場合は、生成物にロゴや商標、実在人物に見える要素が入っていないかを確認しておくと安心です。
また「○○風」の指定は便利ですが、既存キャラクターの固有要素(特徴的な髪型・配色・服装・小物)をそのまま重ねるほど、意図せず似やすくなります。
テイストは「線・塗り・配色ルール」で作り、キャラの固有性は「自分の設計書(固定3点)」で作る、と分けて考えると安全に運用しやすいです。
まとめ|プロンプトは「固定7割+差分3割」でちびキャラが安定します
Nano Banana/Nano Banana Proでちびキャラを安定生成する近道は、モデル選びよりも先に頭身・顔・線・塗り・配色をテンプレで固定し、差分は表情やポーズに絞ることです。
崩れたら「変えない要素→直す1点」で短く戻すと、無駄な再生成が減ります。
まずは本記事の基本テンプレをコピペして、固定する3点(髪型・モチーフ・背景簡略度)から作ってみてください!



