Nano Banana 色変えで商品画像のカラバリを作る方法|プロンプト例と注意点
EC運用では「同じ商品・同じ写真品質のまま、色違いだけ欲しい」という場面が頻繁にあります。
Nano Banana(Geminiの画像生成・編集モデル)を使うと、元画像1枚から“色だけ”を狙ってカラバリ画像を作りやすくなります。
ただし、指示が雑だと形や素材感、ロゴまで崩れるリスクもあるため、手順とプロンプトの型を押さえて運用するのが重要です。
Nano Bananaの「商品画像の色変え」でできること(EC用途に限定)
カラバリ(色違い)生成の適性
Nano Bananaは、画像の一部を言葉で編集できる「部分編集」に強みがあり、商品写真の“色だけ差し替え”に向きます。
特に、白背景の物撮りや、構図・光が安定した商品写真は成功率が上がりやすいです。
一方で、複雑な柄の上に重なるパーツ、透過素材、強い鏡面反射がある商品は、色変更に引っ張られて質感まで変わりやすい点に注意が必要です。
“色だけ変更”と形状・素材変化のリスク
AIの「色変え」は、単純な塗り替えではなく“それっぽい画像を再合成する”動きになりやすいです。
そのため、指定が弱いと縫い目やシワ、エッジの立ち方が変わったり、素材が布→合皮のように見えたりします。
EC用途では、形状・縫製・ロゴ・金具・影を「保持条件」として明示し、“色以外は触らない”制約を強めるのが基本になります。
最短手順:1枚の元画像からカラバリを作る流れ
Geminiアプリ上では、ツールメニューから「画像を作成」を選び、編集したい元画像をアップロードしてプロンプトを入力します。
指示の基本形(対象→変更色→保持条件)
プロンプトは、基本的に次の順で組むとブレにくいです。
- 対象:どのパーツを色変更するか(例:アッパー、ボディ、布地部分)
- 変更色:色名+近い色コード(可能なら)+質感の方向性
- 保持条件:形状・素材・柄・ロゴ・影・反射・背景など「触らないもの」
例(基本形)
「(対象)だけを(変更色)に変更してください。(保持条件)は一切変更しないでください。」
この“保持条件”が薄いほど、AIは見た目を整えるために勝手に形や素材もいじりやすくなります。
そのまま使える「商品色変え」プロンプトテンプレ
服・布(質感維持、柄/ロゴ固定)
プロンプト
この商品写真の「布地(服本体)」のみ色を【変更後の色】に変更してください。
形状・サイズ・縫い目・シワ・織り目・質感は維持してください。
プリント柄・刺繍・ロゴ・タグの文字は一切変更しないでください。
光源方向、影の形、背景はそのままにしてください。
コツは「織り目」「縫い目」「シワ」を固定対象に入れることです。
布は色変更に引っ張られて質感がのっぺりしやすいため、質感ワードを先に並べるほど安定します。
レザー・金属(反射/光源固定)
プロンプト
画像内の「レザー部分」だけを【変更後の色】に変更してください。
レザーのシボ感(粒立ち)とツヤは維持してください。素材を変更しないでください。
金属パーツの色・反射・ハイライトは変更しないでください。
光源位置、反射の形、影、カメラ角度、背景は維持してください。
金属が絡む商品は、色よりも「反射」が説得力を決めます。
反射・ハイライト固定を明示し、レザー側だけを限定するのが安全です。
樹脂・ガラス(透過・ハイライト固定)
プロンプト(樹脂)
商品の「樹脂ボディ」だけを【変更後の色】に変更してください。
透明感(または半透明感)、ハイライト、影の形は維持してください。
形状・エッジ・刻印・ロゴは変更しないでください。背景はそのままにしてください。
プロンプト(ガラス)
ガラス部分の色味(ティント)だけを【変更後の色】に変更してください。
透過、屈折、映り込み、ハイライトは維持してください。形状は変更しないでください。
透過素材は“色を塗る”より“色味を乗せる”発想が近いので、「ティント」「透過」「屈折」を入れるとブレが減ります。
よくある失敗と対処(ECで事故りやすい順)
別パーツまで色が変わる(対象の限定)
最頻出は「靴紐まで変わった」「金具も染まった」などの巻き込みです。
対処は、対象指定を部位名+否定指定で二重にします。
- 変更するのは「アッパー(本体生地)」のみです。
- ソール、靴紐、金具、ロゴ、ステッチ、背景は変更しないでください。
それでも巻き込む場合は、対象をさらに具体化(例:左足・右足、前面・側面、ボディ中央)すると安定します。
色が濁る/くすむ(白平衡・彩度の指示)
「赤がレンガっぽい」「ネイビーが黒に寄る」は、元写真の光源とAIの補正がぶつかると起きます。
色は色名+補助条件で指定すると通りやすいです。
- 色は【#D6001Cのような鮮やかな赤】。くすませないでください。
- ホワイトバランスと露出は元画像のままにしてください。
ECでは“正確な色”が重要なので、可能なら社内の基準色(近い色コード)を添える運用が安心です。
質感が変わる/形が変わる/ロゴが崩れる(維持項目の明示)
質感や形が変わると、色が合っていても商品として使えません。
まとめて防ぐには、固定項目を“しつこいほど”書きます。
- 形状・寸法・輪郭・縫製・刻印・ロゴの文字は完全に維持してください。
- 素材(布/レザー/金属/樹脂)を別素材に変えないでください。
- 変更は色のみ。背景、光源、影、反射はそのまま。
ロゴが弱い場合は「ロゴ周辺は編集しない」「ロゴのピクセル形状を維持」と追記すると改善することがあります。
運用ルール:量産・検品・権利対応
実物との差異リスク(注記・色校正の考え方)
AIで作ったカラバリは、どうしても閲覧環境(ディスプレイ差)や撮影条件の影響を受けます。
運用としては、
- 代表色だけ実撮影を優先
- AI生成は補助画像扱いにする
- 必要に応じて「画面表示のため実物と色味が異なる場合があります」等の注記を整備、
が現実的です。
色校正が必要な商材ほど、最終判断を制作側だけで完結させず、MD/品質側のチェックを通すフローが安全です。
ロゴ/商標/人物が写る商品の扱い(改変・掲載の注意)
ロゴや商標は、色変えの過程で崩れる=別ロゴに見える事故が起きやすい領域です。
基本は「ロゴは編集対象外」として固定し、少しでも崩れたら不採用にします。
人物(モデル)が写る場合も、意図せず顔や肌の色味が変わることがあるため、商品色以外は触らない指示を強め、社内の権利・広告審査ルールに沿って確認します。
企業向け提供では透明性や責任ある利用の枠組みにも触れられているため、権利周りは“できる/できない”より“出してよいか”で判断するのが安全です。
まとめ
Nano Bananaの色変えは、ECのカラバリ作成を短時間化できる一方で、「対象の限定」と「保持条件」が弱いと形状・質感・ロゴが崩れやすいのがポイントです。
まずは“崩れない指示の型”を作り、テンプレ化して量産し、最後は影・反射・縫い目・ロゴの観点で必ず検品する流れが安定します。
公式の操作導線とモデル特性を踏まえて、再現性のある運用に落とし込んでみてください。


