失業や転職をきっかけに「職業訓練校でWebデザインを学んでみようかな」と考える方は年々増えています。
とはいえ、まったくの未経験からでも本当にWebデザイナーを目指せるのか、スクールとの違いや就職につながるのかは気になるところです。
この記事では、職業訓練校のWebデザインコースの特徴や学べる内容、費用面のメリット、就職支援の仕組みまでを整理しながら、未経験からWebデザインの世界に踏み出したい20〜40代の方が気になる点を具体的に解説していきます。
職業訓練校で学ぶWebデザインとは?概要と特徴
職業訓練校の目的と仕組み(離職者向け・求職者支援としての役割)
職業訓練校は、離職者や求職者が新しいスキルを身につけて再就職しやすくすることを目的とした公的な教育機関です。
ハローワークと連携しており、失業給付を受けながら通えるコースや、無収入の人を対象とした求職者支援訓練など、状況に応じた制度が用意されています。
Webデザインコースもその一つで、「就職につながる実務スキルを身につける」というゴールが明確に設定されている点が特徴です。
民間のスクール・専門学校との違い(費用・期間・目的の比較)
民間のWebデザインスクールや専門学校と比べると、職業訓練校は受講料が無料であることが大きな違いです。
一方で、学べる期間や内容は公的な制度の枠内で決まっており、最新技術や高度な分野は深く扱われないこともあります。
専門学校のように2〜3年かけてじっくり学ぶというより、「数カ月で就職のスタートラインに立つためのスキルを身につける場所」というイメージを持つとギャップが少なくなります。
職業訓練校のWebデザインコースで学べる主な内容
「Webデザイン」という言葉から、見た目のデザインだけを想像する人も多いですが、職業訓練校のWebデザインコースでは、デザインと同時にHTML・CSSなどのコーディングを学ぶことが一般的です。
コースによっては、バナーやLPのデザインに特化している場合もあれば、フロントエンド寄りの内容が多い場合もあります。
募集要項に「Webデザイン・コーディング」「Webクリエイター」などと書かれていることもあるため、自分が学びたい範囲と一致しているか確認することが大切です。
デザイン基礎:レイアウト・配色・タイポグラフィなどの基礎知識
多くのコースで最初に学ぶのが、レイアウト・配色・タイポグラフィといったデザインの基本です。
教科書やWebサイトの事例を参考にしながら、情報の優先順位のつけ方やレイアウトの組み方、色の組み合わせ方などポイントを押さえていきます。
デザインツール:PhotoshopやIllustratorの使い方
次に、PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックツールの基本操作を学びます。
「Webデザインでよく使う機能」に絞って練習することが多いです。
コースによってはFigmaなども扱い、ワイヤーフレーム作成や簡単なUIデザインの流れに触れられる場合もあります。
コーディング基礎:HTML / CSS、簡単なレスポンシブ対応
Webデザインコースでは、HTMLとCSSの基礎もセットで学びます。
見出し・段落・画像などの基本タグの書き方などの内容から始まり、スマートフォン対応のための簡単なレスポンシブデザイン(メディアクエリ)まで扱うコースもあります。
「デザインしたものを実際にブラウザで表示させる」感覚を身につけていきます。
ポートフォリオ制作:作品のまとめ方・見せ方のポイント
就職活動に向けて、最後にポートフォリオを作成する時間が設けられているコースも多いです。
ここで作ったポートフォリオは、そのまま書類選考や面接で提出できる大切な資料となり、未経験者にとって大きなアピール材料になります。
職業訓練校でWebデザインを学ぶメリット
受講料負担の少なさ(無料〜安価で学べる・給付金制度など)
職業訓練校の一番のメリットは、受講料負担の少なさです。
コースによっては教材費のみで受講できる場合や、無料で提供されるコースもあり、条件を満たせば、失業給付や職業訓練受講給付金などの公的支援も利用できます。
民間スクールに数十万円を支払うのが難しい人にとって、「お金の心配を少し減らしながら新しいスキルに挑戦できる」点は大きな安心材料になります。
勉強ペースが決まっており、学習習慣を作りやすい
通学型の職業訓練では、平日の日中に授業があるケースが多く、毎日決まった時間に教室へ行くことで、生活リズムが整いやすいです。
また、一人で独学をしていると「今日はいいか」と先延ばしにしてしまいがちですが、時間割が決まっている環境は、適度な「強制力」として働いてくれます。
一方、オンライン型や自由受講型の訓練では、自分の都合に合わせて学べるケースもあります。
早起きをしなくても良いし、通学時間がいらず、自分のペースで進められるといった点で自己管理ができる人には向いています。
就職支援(キャリアカウンセリング・求人紹介・面接対策など)
職業訓練校では、基本的に学習だけでなく就職支援がセットになっています。
たとえば
- キャリアカウンセラーとの個別相談
- 履歴書・職務経歴書・ポートフォリオの添削
- 面接対策セミナーや模擬面接
- 関連求人の紹介
といったサポートを受けられます。
「未経験でどんな求人に応募してよいか分からない」「自分の強みをどう伝えればいいか不安」といった悩みも、相談しながら方向性を整理しやすくなります。
まとめ:未経験でも職業訓練校でWebデザインの第一歩は踏み出せる
職業訓練校のWebデザインコースは、独学にはないメリットが多くあります。
一方で、学べる内容やレベルには限りがあり、訓練修了後も学び続ける前提で考えることが大切です。
自分のPCスキルや生活状況、将来の働き方を整理したうえで、就職実績などをしっかり比較すれば、自分に合ったコースが見えてきます。
職業訓練校をうまく活用しながら、Webデザインという新しいキャリアへの第一歩を、無理のない形で踏み出してみてはいかがでしょうか。



