デザインや資料づくりをしていると、「とりあえずの文章や案だけでも誰か作ってほしい…」と感じることはないでしょうか。
Canva AIを使うと「0→1のたたき台作り」をAIに任せて、あなたは仕上げとチェックに集中できるようになります。
- 文章の下書きは「Magic Write(マジックライト)」
- 画像の作成は「AI画像生成」
- 写真の調整は「背景リムーバー」など
このように、Canvaの中だけでテキストも画像も一気に進められるのが大きな魅力です。
この記事では、Canva AIの全体像と、実務での上手な使い方を、やわらかく整理してご紹介します。
Canva AIってなに?ざっくり全体像をつかもう
Canva AIとは、Canvaに搭載されている文章作成や画像加工などを助けてくれるAI機能の総称です。
以前「Magicツール」と呼ばれていた機能がまとまっていて、デザイン作業をまとめてサポートしてくれます。
- 文章作成AI「Magic Write」
- テキストから画像を作る「AI画像生成」
- 写真の背景を消す「背景リムーバー」
- 写真の一部を消したり差し替えたりするAI編集
- スライドや資料のデザインを自動で提案する機能 など
など難しい操作を覚えなくても、「こんな感じにして」と日本語で指示するだけで、ある程度までかたちにしてくれるのがポイントです。
無料版と有料版の違いも簡単に
- 無料版:Canva AIは「回数制限つき」でお試しできる
- 有料版(Canva Proなど):背景除去やAI編集が使い放題
- チーム利用:ブランドカラーやフォントを固定して、AIで作ったデザインを全員で使い回せる
まずは無料で触ってみて、「これは仕事で使えそう」と感じたら有料版を検討するという流れが使いやすいです。
文章づくりはMagic Writeにまず任せてみる
テキスト作成で中心になるのが、Canva AIの文章機能「Magic Write」です。
これは、指示文を入れると文章を自動生成してくれる機能です。
Magic Writeでできること
- SNS投稿文のたたき台作成
- ブログの導入文や見出し案の作成
- メールの文面の整理・言い換え
- スライドの文章を短くまとめる要約
「完成品を作ってもらう」というよりも、アイデア出し・下書き作りに向いているイメージです。
指示文(プロンプト)のコツ
いい文章を出してもらうには、Magic Writeへの指示を少し丁寧にするのがポイントです。
- 誰向けかを書く
- 目的を書く
- トーンを書く
- 長さを書く
これらを組み合わせると、下記のような感じになります。
「デザイン初心者のマーケ担当者向けに、Canva AIの使い方を紹介するSNS投稿文を、やさしく親しみやすい言葉で、100文字以内で書いてください」
そのまま使わず、最後は必ず人が整えるひと手間を入れることで、AI感が薄れて、自然な文章になっていきます。
画像はCanva AIでつくって、背景はサクッと消す
Canva AIは「テキストから画像を作る機能」も持っています。
この機能を使うと、フリー素材にないイメージも表現しやすくなります。
AI画像生成でできること
- ブログのアイキャッチ画像をオリジナルで作る
- SNS用にイラスト風のビジュアルを作る
- 抽象的な概念(成長・課題・チームワークなど)のイメージ図
- プレゼン資料のイメージカットを用意する
プロンプトの書き方のポイント
- 被写体:「ノートPCで作業する女性マーケター」
- スタイル:「フラットなイラスト」「写真風」など
- 雰囲気:「明るく」「ポップに」「落ち着いた印象で」
- 用途:「ブログの横長アイキャッチ用」「SNS正方形用」
これらを組み合わせると、
「ノートPCで作業する女性マーケター。フラットなイラスト。明るく前向きな雰囲気で。ブログの横長アイキャッチに使える構図で。」
といった感じになり、狙いが伝わりやすくなります。
背景リムーバーで写真をすっきり見せる
写真の加工でよく使われるのが「背景リムーバー」です。
これは、写真の背景だけをAIが自動で消してくれる機能です。
- 商品写真の背景を白にしてECっぽく見せる
- プロフィール写真の背景をシンプルな色に変える
- 人物だけを切り抜いて、資料のデザインにはめ込む
ボタン一つでできるので、従来のように切り抜き作業に時間をかける必要がありません。
実務で役立つCanva AIの使い方ワークフロー
ここからは、「Canva AIを仕事でどう回していくか」の例を紹介します。
SNS運用や広報・資料作りなど、いろいろな場面で応用できます。
基本の流れ(文章+画像)
① 目的とターゲットを書き出す
例えば、「Instagramで新商品の認知を広げたい。20〜30代の女性向け。」
② Magic Writeで投稿文やキャッチコピー案を作る
トーン・文字数・目的をしっかり指定する
③ AI画像生成でイメージ画像を作る
「明るくておしゃれ」「スマホで見ても伝わる」なども指定
④ 必要なら商品写真の背景を消して組み合わせる
背景リムーバーで商品をきれいに切り抜く
⑤ Canvaのテンプレートに流し込んで微調整
- ブランドカラーとフォントに統一
- テキストは読みやすい量に整理
⑥ 最後に人が中身をチェックして完成
- 情報の正確性
- ブランドイメージとの一貫性
- 誤字脱字や言い回し
この流れに慣れてくると、1本の投稿や1枚のバナーを作る時間をかなり短縮できるはずです。
Canva AIとうまく付き合うための注意点
便利なCanva AIですが、「全部AI任せ」で進めてしまうと、ブランドイメージや信頼性を損ねることもあります。
AIに任せやすいところ
- アイデア出し・たたき台の文章作り
- 画像のバリエーション生成
- サイズ変更や形式の統一などの単純作業
- スライドのレイアウトやデザイン案の提案
人が必ず見るべきところ
- 数字・実績・引用などの事実関係
- 法律や権利に関わる部分(著作権・肖像権など)
- 自社のトンマナ(トーン&マナー)とのズレ
- 読み手にどんな印象を与えるかの最終判断
チームで使うなら決めておきたいルール
- AIで作ったものも必ず人が確認すること
- ブランドカラー・ロゴ・フォントのガイドライン
- 「ここまではAI OK」「ここからは人が書く」ライン
- 新しい機能が増えたときの試し方・共有方法
AIはあくまで「アシスタント」です。
Canva AIに下書きやアイデアを出してもらいながら、最終的な責任や判断は人が持つ、というバランスが大事です。
まとめ|まずは「たたき台作り」からCanva AIを試してみよう
改めてポイントをまとめると、Canva AIはMagic Writeで文章のたたき台を一瞬で作り、AI画像生成と背景リムーバーでビジュアルを整え、テンプレートで全体のデザインをそろえるという流れを、Canvaの中だけで完結させてくれる存在です。
いきなり全部をAIに任せる必要はなく、まずは「SNS投稿文の下書きだけ」「アイキャッチ画像だけ」など、一部だけに使ってみるのがおすすめです。
少しずつCanva AIに慣れながら、あなたやチームに合ったワークフローを育てていってもらえたらうれしいです。



