今年の7月、知人に誘われるがまま人生初の登山へ挑戦してきました。

札幌市民に親しまれる藻岩山の「旭山記念公園コース」、札幌市内にある山であるということ、「旭山記念公園コース」なんてかわいらしい名前だったことから私は完全にハイキング感覚でなめてかかった節があるのですが…。

結論から言うと、ハイキングではなく普通に登山でした(笑)。

今回は、そんな登山初心者の藻岩山往復の体験談をご紹介します。

藻岩山ってこんな山!まず基本情報とコースを整理

体験談に入る前に、藻岩山がどんな山なのか少し紹介しておきます。

知っているようで意外と知らなかった情報が多かったので。

藻岩山は標高531mの山で、国の天然記念物に指定された藻岩原始林を持つ、札幌市民に長く親しまれてきた山です。

山頂へはロープウェイとミニケーブルカーでも行けますが、登山道も整備されており、多くの人が徒歩で登っています。

登山コースは全部で5種類あります。

5つのコースを比較してみる

藻岩山の登山コースを、距離と特徴別にまとめると以下のようになります!

コース名 距離 特徴
慈啓会病院前コース 約2.9km 最も人気。道がほぼ全て整備されており、初心者向け
旭山記念公園コース 約4.0km 比較的起伏に富む。途中から慈啓会病院前コースに合流
もいわ山スキー場コース 約2.5km 明るい樹林の中を通る。スキーゲレンデ側を通過
小林峠コース 約4.5km スミレやブドウなど植物が多く、紅葉の名所
北の沢コース 約2.4km 5コース中最も距離が短い。幅は狭いが比較的歩きやすい

私が今回挑戦したのが、赤文字であらわしたコースですね。

旭山記念公園の入口すぐ左側に広い駐車場があり、その横が登山道の入口になっています。

距離は約4.0kmで、コースの特徴は「比較的起伏に富む」こと。

登山道入口からT6分岐点(2.4km)まで進み、そこから馬の背(0.5km)、山頂(1.1km)というルートです。

途中から慈啓会病院前コースに合流します。

「起伏に富む」という表現、下調べの際に読んだときはよくわからずスルーしていたのですが…実際に登ってみるとその意味がよ~~~くわかりました(笑)。

「ちょっとしたハイキングでしょ」という認識は入り口で崩れた

7月4日、30度予報の晴天。

昼12時に旭山記念公園の駐車場に集合しました。

正直なところ、当日まで完全にハイキングのつもりでいました。

知人から誘われたとき「藻岩山は完全初心者向けの山だから大丈夫だよ~」なんて言われていたので、軽いノリで登山を決めたのですが…。

道内各所の有名山岳を登ってきた彼女の言う言葉を鵜呑みにしてはいけなかったのです。

駐車場で「あれ、これ思ってたやつと違う」と気づく

事前に秀岳荘で登山靴を買っていたんですよ。

「山菜取りにも使えるし」くらいのノリで。

当日も直前まで普通の運動靴で行くか迷ったんですが(なんせハイキング感覚なので)、せっかく買ったし靴慣らしにもなるかな、と最終的に登山靴を選んで向かいました。

駐車場で合流した知人を見た瞬間、軽いノリが揺らぎ始めました。

虫よけスプレー、クマ鈴、クマ撃退スプレー。

クマ鈴というのは、歩くたびにリーンと音を鳴らして野生動物に人間の存在を知らせるための鈴です。

熊との不意打ちの遭遇を防ぐためのアイテムで、登山経験者には定番の装備。

「え、そこまで必要な山なの…?」と若干同様しながら、登山道入口へ向かいました。

クマ出没注意の看板、日付は一週間前

登山道の入口に着いた瞬間、目に飛び込んできたのが「クマ出没注意」の看板。

目撃情報の日付を見たら、約1週間前でした。

最近過ぎてびっくり。

そして入口地点から、すでに普通の山道です。

整備された公園の小道ではなく、土と木の根でできた、本物の山道。

登山靴を選んできて本当によかったと、入口の時点で確信しました。
運動靴だったらこの先どうなっていたか(笑)。

いざ登山!2時間の山道で見えてきたもの

ハイキングのつもりが本格登山だったことがわかったところで、もう引き返すという選択肢は当然ありません。

知人についていく形でスタートです。

コースは最初に登り、途中で一度下りを挟んでからまた登るというアップダウンがあります。

道は舗装されておらず、木の根や岩がゴツゴツ飛び出しているので、気を抜くと転びます。

知らないことが多かった登山マナー

この日は天気がよかったこともあって登山者は多く、途中でトレイルランナーとすれ違う場面もありました。

登山経験の豊富な知人から教えてもらったマナーが、いくつかあります。

【登山道のマナー】
・すれ違いは登りが優先(下りの人が道を譲る)
・止まって待つときは山側に寄る(転落防止のため)
・すれ違うときは挨拶をするのが暗黙のルール

すれ違うとき「こんにちは」と声をかけてくれる人がほとんどで、これが登山の文化なんだなあと。

見知らぬ人と自然に挨拶が生まれるってなんかいいなあと思いました。

登山道での自分との闘い、そんな時に声を掛け合えるのは心の支えになります。

約2時間、山頂にたどり着いた瞬間のこと

水分と塩分を補給しながら、山ならではの植物や虫を眺めながら。

↑山道にいた大きいカタツムリ

開けた場所で札幌の街並みを写真に収めながら。

↑途中急に景色が開けたのでうっかり「ゴールだ!!」とテンションが上がったのに山頂までまだまだだったスポットからの景色

ゆっくりと登り続けて約2時間ちょっと。

山頂に着きました。

かなりの晴天で景色がめちゃくちゃきれいですね…山頂でも30度ありましたけど(笑)

山頂まで登ってみた感想を一言で言いますが、まあまあきつかったです。

途中「もう山頂まで行かなくていい、今から下ればまだすぐ戻れる」という心の声が何度もよぎりました。

体力的なきつさだけじゃなく、精神的な粘りも問われる…短時間のトレーニングとは全く違う種類の疲れ方です。

さて、藻岩山の山頂はロープウェイの施設があり、きれいなトイレや更衣室、自販機、レストランが整備されています。

さらに神社もあって、水かけ観音に水をかけてお参りしてきました。

おみくじも引いて、しばし山頂でゆっくり過ごしました。

↑まさかのここで大吉

山頂のレストラン「ザ ジュエルズ」では、登山ウェアや登山ブーツ・帽子・リュック・ストックのいずれかを持参しているともーりすカレーが20%割引になる登山者特典があります。次回はぜひ立ち寄りたい。

登山にハマる人の気持ちがなんとなくわかった気がした

山頂に着いたとき、「次は下りがあるのか…」と若干の絶望を感じたことは事実です(笑)。

でもいざ下りてみると、これが思ったよりあっという間。

なんでもそうなのかもしれませんが、帰り道の方が早く感じるというのは登山も同じなのかも…?

山頂で達成感を味わったあとだからこそ、足取りが軽かったのかもしれません。

知人からもらったデータによると、往復のトータル時間は約3時間半、歩いた距離は約7kmでした。

翌日の筋肉痛は、足腰が比較的丈夫なおかげか主に太ももの裏に軽度の筋肉痛が出た程度で済みました。

ただ、普段あまり運動をしていない方だと相応にきつい筋肉痛になる可能性があります。

電波の届かない山の中を黙々と登り続ける体験は、完全に精神修行でもあります。

それでも山頂に着いた瞬間の達成感は、ほかのどんな運動でも味わえないもの。
「また来てもいいかも」と思ってしまった私は、少し登山の沼の入り口に立っているのかもしれません(笑)

まとめ:藻岩山は初心者でも登れる!でも舐めてかからないほうがいい

藻岩山の旭山記念公園コース、登山初心者の感想をひとことで言うなら「想像より本格的」です。

整備されたハイキングコースを想定していくと面食らいますが、逆に準備さえしていけば初心者でも十分登れます。

初心者の方向けに、当日気をつけたいポイントをまとめておきます。

【藻岩山・旭山記念公園コースを登る前にチェックしたいこと】
・登山靴は必須(木の根が多いので運動靴は危ない)
・クマ鈴と虫よけスプレーがあると安心
・水分・塩分補給はこまめに
・すれ違いは登り優先、挨拶は基本マナー
・山頂にトイレ・自販機あり(事前にそこまで多く持参しなくてOK)
・翌日の予定は余裕を持って

旭山記念公園コースは5コース中でも起伏があるほうなので、不安な方は整備が充実している慈啓会病院前コース(約2.9km)から挑戦するのもおすすめです。

今回の内容が、藻岩山登山を検討している方の参考に少しでもなれば幸いです。

ライター:遠藤葉月