近年、ChatGPTの画像生成機能は目覚ましい進化を遂げ、広告バナーやブログのアイキャッチ、SNS投稿画像など、ビジネスシーンでも活用される機会が増えています。

そんな中、X(旧Twitter)では「画像生成の前にJSON形式でプロンプトを作成すると、完成度が大きく向上する」という投稿を見かけました。

一見すると「本当にそんな違いがあるの?」と思ってしまいますが、実際に試した人からは「レイアウトが整った」「AIの意図理解が良くなった」といった声も見られます。

そこで今回は、ChatGPTとGeminiを使って「通常のプロンプト」と「JSON形式で設計したプロンプト」の2パターンで画像を生成し、本当に違いがあるのか検証しました。

JSONプロンプトとは?

JSON(JavaScript Object Notation)は、データを構造化して表現するための形式です。画像生成においては、単に文章で指示を出すのではなく、

  • テーマ
  • ターゲット
  • 配色
  • レイアウト
  • 雰囲気
  • 必要な要素

などを項目ごとに整理してAIへ伝えられます。

例えば、「高級感のある不動産広告を作成して」という指示だけでは曖昧ですが、
JSONでは「メインカラーはネイビー」「ターゲットは30代夫婦」「CTAボタンは下部中央」など、細かな条件を整理した状態で画像生成へ進められるのが特徴です。

今回の検証方法

今回は、同じテーマで2種類の画像を作成しました。

パターン①:通常のプロンプトのみで画像生成。
パターン②:まずAIに広告内容をJSON形式で整理してもらい、そのJSONをもとに画像を生成。

どちらもテーマや目的は同じ条件にそろえ、違いが出るかを比較します。

まずは、ChatGPTで検証してみた!

パターン①|通常のプロンプトの画像生成

プロンプト:新築分譲マンションの広告クリエイティブを作成してください。

通常のプロンプトの画像生成

パターン②|JSON形式で整理し、画像生成

プロンプト:まず、新築分譲マンションの広告クリエイティブを作成するためのJSON形式のプロンプトを作成してください。
そのJSONを使用して画像を生成してください。

JSONの出力画面
JSON形式で整理し、画像生成

評価

比較項目 通常プロンプト JSONプロンプト
広告らしさ ○ 高級感はあるが、広告要素は少なめ ○ 実際の不動産広告に近い完成度
情報量 ○ 必要最低限の情報 ◎ アイコンや設備情報まで充実
レイアウト ○ シンプルな構成 ○ シンプルな構成
ビジュアル ◎ 建物の雰囲気が伝わる ○ 高級感があり、広告写真としては魅力的
実用性 ○ 追加編集が必要 ○ 追加編集が必要
総合評価 ○ ビジュアル重視の仕上がり ○ ビジュアル重視の仕上がり

Geminiでも同じ検証をしてみた!

ChatGPTだけでなく、Geminiの画像生成AI「Nano Banana」でも同じ検証を実施しました。

パターン①|通常のプロンプトの画像生成

通常のプロンプトの画像生成

パターン②|JSON形式で整理し、画像生成

JSONの出力画面

 

JSON形式で整理し、画像生成

評価

比較項目 通常プロンプト JSONプロンプト
広告らしさ ◎ 実際の不動産広告に近い完成度 △ 広告というよりイメージビジュアル
情報量 ◎ 必要な情報が豊富 △ 掲載情報が少なく訴求力は控えめ
レイアウト ◎ 情報が整理され広告らしい構成 ○ シンプルで見やすいが物足りない
ビジュアル ◎ 家族の暮らしがイメージしやすい ◎ 建物の質感や高級感は十分
実用性 ○ 追加編集が必要 △ デザインの追加調整が必要
総合評価 ◎ 広告クリエイティブとして優秀 ○ ビジュアルは良いが広告としては弱い

なぜJSON形式で変化が出る場合があるのか

今回の検証を通して感じたのは、「JSONだから画質が良くなる」というよりも、「AIが画像を生成する前に情報を整理できること」が大きいのではないかという点です。

JSONでは、ターゲットや配色、レイアウト、必要な要素などを構造化して整理できます。そのため、AIがユーザーの意図を把握しやすくなり、結果としてデザイン全体の統一感や情報整理が改善されるケースがあると考えられます。

ただし、その効果の現れ方はAIによって異なるようです。

このことから、JSON形式そのものが画像の品質を向上させるというよりも、AIがユーザーの意図を理解しやすい形で情報を伝えることが、画像生成の完成度に影響している可能性があると考えられます。

詳細なプロンプトでやってみた!

「JSON形式だからクオリティが向上する」と言われることがありますが、そもそも通常のプロンプトを詳しく書くだけでも、同じような効果が得られるのではないかという疑問が浮かびました。

そこで次は、JSON形式を使わず、画像に反映してほしい要素を文章で細かく指定したプロンプトを作成し、ChatGPTとGemini(Nano Banana)で画像を生成してみます。

今回のプロンプトでは、高級感のある新築分譲マンションの広告をテーマに、ターゲットや配色、レイアウト、掲載する情報などを具体的に指示しました。
短いプロンプトでは「AIに任せる部分」が多くなりますが、詳細なプロンプトでは制作者の意図をできるだけ明確に伝えることを意識しています。

プロンプト

新築分譲マンションの広告クリエイティブを作成してください。
高級感と洗練された印象を重視し、30〜40代のファミリー層をターゲットにしたデザインにしてください。
メインビジュアルにはモダンな新築マンションの外観を大きく配置し、青空または夕暮れを背景に、上質で憧れを感じられる雰囲気を演出してください。
配色はネイビー・ホワイト・ゴールドを基調とし、高級不動産広告のような落ち着いたデザインにしてください。
広告内には以下の要素を自然に配置してください。

・キャッチコピー
・物件名
・駅徒歩〇分
・価格
・間取り
・設備情報(セキュリティ・宅配ボックスなど)
・資料請求ボタン

写真・文字・アイコンのバランスを意識し、実際の新築マンション広告として違和感のないレイアウトにしてください。
文字は日本語で自然に表示してください。

ChatGPTで生成

ChatGPTでは、不動産会社の折込チラシやWeb広告としてそのまま使えそうな完成度の高いクリエイティブが生成されました。

マンションの外観だけでなく、価格や間取り、設備、周辺環境、アクセス情報など、不動産広告に必要な要素がバランスよく配置されており、情報量が多いにもかかわらず全体が見やすく整理されています。
また、資料請求ボタンやアイコンの配置も自然で、広告としての完成度の高さが印象的でした。

Geminiで生成

Geminiでも高級感のある広告は生成できましたが、ChatGPTと比較すると情報量は少なく、広告というよりもWebサイトのメインビジュアルやバナーに近い印象を受けました。

物件情報や設備紹介などの要素は配置されているものの、実際の不動産広告でよく見られる詳細な情報設計までは再現されておらず、全体的にシンプルな仕上がりです。
ビジュアルの美しさは十分ですが、広告として見ると、もう少し情報量やレイアウトに工夫が欲しいと感じました。

比較して感じたこと

JSON形式を使わなくても、プロンプトを具体的に書くだけで画像の完成度は向上するのではないかと思いました。
特にChatGPTでは、短いプロンプトよりも詳細なプロンプトのほうが広告としての完成度が高く、レイアウトや情報整理もより実用的な仕上がりとなっています。

一方でGeminiは、詳細な指示を与えてもビジュアル重視の傾向が見られ、広告クリエイティブという観点ではChatGPTのほうが一歩リードしている印象でした。

まとめ

SNSでは「JSON形式にするだけで画像生成のクオリティが大幅に向上する」といった声も見られますが、今回の検証では、必ずしもすべてのAIで同じ効果が得られるわけではないことが分かりました。

特にChatGPTでは、JSON形式を経由することでレイアウトや情報整理が改善される傾向が見られた一方、Nano Bananaでは通常プロンプトでも差はそれほど大きくありませんでした。

画像生成AIはモデルごとに得意分野や設計思想が異なるため、「JSONなら必ず品質が上がる」と断言することはできません。
しかし、広告やバナーのように要件が多い画像を作る際は、一度設計を整理してから画像を生成する方法は試してみる価値がありそうです。

ライター:岩崎